石積擁壁の検討 
(クーロンの土圧公式、示力線方程式を使って)石積擁壁の構造のチェックをしましょう。石積の安定は、石の積み方次第で不安定なものになってしまい、施工によるところが大きいですが、ここでは石積が十分安全に(合力が1/3以内の存在する場合は崩れない)施工されることを前提に計算します。

  • 「A設計support |h構造計算|擁壁構造」の「4石積擁壁」を開き“in”シートに条件を入力します。
  • コメントを参照して‘土質’番号を選択すると、その土質の標準的な‘内部摩擦角’‘擁壁背面土との摩擦角’‘単位体積重量’‘すべり摩擦係数’‘支持地盤の粘着力’が参照されます。この内容を確認し、修正の必要があれば直接数値を入力します。
  • 地盤の‘許容支持力度’と‘滑動に対する安全率’を入力・確認します。

  • ‘基礎地盤の粘着力’‘すべり摩擦係数’‘許容支持力度’ 構造材の単位重力’と‘土圧に対する安全率(滲透水の影響を考慮)’‘滑動に対する安全率’を入力します。
  • ‘構造材の単位重力’には、練石積の場合‘単位重量’に石積を構成する石材の単位重量、‘充填率’に「100%」を入力します。空石積の場合には‘単位重量’に石積を構成する石材の単位重量を入力し、 ‘充填率’は空隙を見込んで任意に入力して下さい(空隙率を見込んだ‘単位重量’の設定は、根拠のあるものではありません
  • コメント参照して支持力線方程式における「判定方法」‘番号’を入力します。

  • 示力線方程式は、壁体の任意区間に作用する土圧と、その区間の壁体重量の合成力の作用点の軌跡(示力線)が作用断面の中心点(又は断面1/3)より後方に存在することを示す手法で、計算上「2:示力線が断面1/3から後方」を選択するか、安全を考慮して「1:示力線が断面中央から後方」を選択します。
  • ‘載過’荷重と計画する擁壁の形状を、参考図を確認して各セル(青色文字)に入力します。
  • 各数値を入力すると上部の「判定式」に計算結果が表示され、最高高さ、転倒・滑り・支持力の計算結果が表示され、これが許容値を越えている場合は、各式の左側に「×」が表示されます。この場合、計画している形状を修正して「×」が表示されない状態を検討してください。 
  • 縦壁の最高高さ(判定式1列目)の計算では、擁壁上部に荷重がある場合「H1>0」は正しく計算できません。この場合判定式の下に「ゴールシークでの検討 →」が表示されるので、数式入力セルを左側の枠内セル、目標値=「1」、変化させるセルを右側枠内セルに設定してゴールシークを行行ってみて下さい(計算できない場合もあります)。
  • 「示力線図(グラフ)」を参照するには、“縦壁”シートを表示させます。シート下部に「示力線図(グラフ)」が作成されています。 
  • 計算書を出力する場合は“in”シートにタイトルを入力し、縦壁の安定計算(示力線に方程式による計算)は“縦壁”シート、基礎の安定に関する計算は“基礎”シートを出力します。