雨水流出抑制の検討 
 大規模な開発を行う場合、雨水の流出抑制に関して検討することが不可欠となっています。「4雨水流出抑制」シートを使って、雨水流出抑制の計算を行い、調整池の規模を検証しましょう。

 また雨水流出抑制に関しては、管轄する官庁の基準等に準じて計画する必要が有ります。
  • 「4雨水流出抑制」シートは、調整池の規模を検証するために作成したものです。このシートを使って計算した内容と、専用のプログラムで計算させた内容を比較した場合、厳密には数値が異なるものの、ほぼ同程度の計算結果となりました。よって調整池の規模を計画する場合、多少余裕を見込んでいただければ計画の範囲内かなーと思っています。
 面積等の入力
  • VW計画平面上で任意にエリアを設定し、多角形を作成して各エリアの面積を計測していきます。リソースパレットを使って「AGcom」から“計測com”パレットを取り込み(表示し)ます。図面の単位を「メートル」に設定して、計測する多角形を選択した状態で“計測com”パレット内の‘/面積0’コマンドを実行(ダブルクリック)して、面積文字列を描画させる位置をクリックします(‘面積/0’コマンドは、小数点以下1桁、‘面積/00’コマンドは、小数点以下2桁、‘面積/000’コマンドは、小数点以下3桁の面積を書き出します)
  • 各エリアの面積を図面上に書き出したら「A設計support|e排水設備計画」内の「4雨水流出抑制」を開いて“in”シートに‘エリア名’と‘面積’を入力していきます。入力単位は「ha」となっているので注意してください。
  • ‘面積’を入力したら、種別の内容及び流出係数を確認して、各々のエリア内の ‘種別面積’を入力します。種別面積もエリア面積同様に、図面上に各種別毎の多角形を作成し、個々の面積を計測します。複数の多角形の合計面積を書き出す場合は、対象になる多角形をグループ化して‘/面積0’等のコマンドを実行すると、合計の面積が書き出されます。 
     
  • 種別の右端(太字)はベースとなる種別で、「エリア面積 - 入力した種別面積の合計」が計算されます。
  • 面積表上部の‘開発前の流出係数’を入力します。
  • ‘調整池流入率’に各エリアから調整池へ流入する割合(調整池流入率=100%ム直接放流率)を入力します。

 計算の条件の設定
  • “in”シートの「許容放流量算定」表から算出条件を選択します。表の左側に「○」印が示されている算出条件(複数の場合はその最小値)で計算された流量が許容放流量として計算されます。
  • 下流河川の最狭搾部の流下能力から許容放流量を算定する場合は、「最狭搾部の河川の流下能力」以降に、狭搾部の河川断面の諸形状及び粗度係数(青色文字に)勾配を入力します。

  • 計画する‘計画規模’と、都市の‘降雨強度式’(必須)、流入時間とその距離及び高低差等を(青色文字に)入力します。
 調整池、オリフィスの検討
  • 上記の条件で合理式で計算される調整池の必要調整容量を試算します。「調整池の検討」以下に計画する調整池の‘池面積’ ‘HWL面積’(HW時の池の面積)及び‘水深’を入力し、□枠内の計算式を確認します。
  • □枠内の右辺数値は必要調整容量を示し、左辺数値は以下に設定する調整池容量のボリュームを示し、調整池の容量が足りない場合は計算式枠左に「×」が表示されます。この場合調整池の‘面積’‘水深’等を修正して、枠内の計算式を成立させてください。
  • オリフィスも同様に‘損失係数’‘オリフィス径’‘水深’等を入力して□枠内の計算式を確認します。
  • □枠内の左辺数値は許容放流量に対する最大オリフィス面積を示し、右辺数値は以下に設定するオリフィスの面積を示しています。
  • 計画したオリフィスが最大オリフィス面積を上回る場合は、計算式枠左に「×」が表示されます。この場合、‘オリフィス径’‘水深’等修正して、枠内の計算式を成立させてください。
  • 「数値法」を用いて検討する場合は、調整池の‘面積’‘水深’やオリフィスの‘オリフィス径’‘水深’等を任意に設定して(□計算式枠左の「×」判定を無視して)、1〜4行目の「数値法計算結果」の内容を確認します。「数値法計算結果」の下部に「×」が表示される場合は「放流量」が「許容放流量」を上まっています。この場合、設定した内容を修正して、「放流量」が「許容放流量」を下まわる様に修正してください。

  • “1計算”シートの‘タイトル’を入力して、「3開発面積と流出係数」のオートフィルタで「1」を選択し、不要な行を折りたたみます。
  • “1計算”“2数値表”“3グラフ”の各々のシートをプリントして内容を確認してください。